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バブルポイント法の問題点

  • 完全に湿潤したメンブレンフィルターをチッソガスにより加圧して行くと、図1の赤色破線内に示すように、フィルター2次側より、初めは拡散によるガスが流出して行く。このままガスによる昇圧を継続して行くと、次第に拡散によるガス流出量は多くなり、やがてバブルポイントに達するとそれまでの定量的なガス流出率が変化する。この時の圧力点がバブルポイント圧であるが、濾過面積の大きなカートリッジタイプのフィルターでは、拡散時のガス流出量が多く、容易にバブルポイントを計測することが可能であるが、完全性試験機が正しいバブルポイントを計測しているのか否かに付いての検証は、上記の理由により、困難である。
  • バブルポイントの判断基準として、ガス供給量を大きくしても、もはやそれ以上圧力が上昇しない圧力点をバブルポイントと呼ぶメーカーがあるが、ガス供給スピード(量)が大きければ大きいほどバブルポイントを高く計測する事が出来る手法である。従って、バブルポイントテスト時に於けるガス供給量は、ある量以下、一定に保つことが重要である。バブルポイントテストは、本来最大孔径を検出する手法であり非常にデリケートなテスト方法であり、ピンホールの検出を目的としたバブルポイント試験法を採用すべきである。
  • 歴史的背景として、これらの短所の為、ディフュージョンフローテストが考案された。
バブルポイント法の問題点

図1